玄室大宗匠のお言葉
2025年3月20日
NHK番組 「インタビュー ここから」にフェンシング日本代表 見延和靖さんが登場しました
テーマは“究めるとは何か”
見延和靖さんは、東京オリンピックで金メダルに輝きました。
その後これからの進むべき道を見失いかけていました。
そんな時100歳にならんとする玄室大宗匠に悩みを打ち明けました。
見延さんが
「道を極めていく中で一番大切なものは何ですか?」
大宗匠
「足腰ですよ」とスクワットをなさいました
大宗匠
「大きな岩の上に枯れた木が一本生えている。その木も花を咲かせなきゃいけないのですよ」
見延さんは、その場では意味がわからず、2時間弱の会談中は答えが出せませんでした。
自分なりの答えを出すのに2週間を要したそうです。
その答えとは、
***********以下見述さんの言
枯れた木に花を咲かせるということは、とてつもないものすごい偉業です。
「すごいことをしろ」ということかと思ったのですが、もしかしたらその真逆かもしれないなと思って。
花を咲かせる木であれば、花を咲かせるのが当然であって、大きな岩の上にある木では、花を咲かせることは到底難しそうだし、
オリンピックで金メダルをとるということは、それに近いようなことかなと思うのですが、
それはただそういう状況だからそうなっただけであって、もし強い足腰と強い精神があるのであれば、木として生まれたのであれば花を咲かせるということには優劣はないということをおっしゃったのかなと思って、
今いるところフェンシングをやり切ってとてつもないところまできて、まさに岩の上に花を咲かせているような状況かもしれないけど、だからといってそれはすごいことではないというか、当たり前のことをやっているだけですと。
だとするなら、また次の年も花を咲かせるのがすごいことではなくて当たり前のことですと。
そのために強い足腰を持って常にその準備をして当たり前のように一歩また一歩と歩んで行きなさいというお言葉だったのではないかなと思いました。
************
さすがの解釈、答えですね。
私が感じたのは、大きな岩は裏千家、一本の枯れ木はまもなく100歳になられる大宗匠(とてもお元気でいまでも茶道普及のために海外にも出向かれていますが、謙遜なさって一本の枯れ木と表現なさったのではないでしょうか)
花を咲かせるためには、もしかしたら石を動かしてあげないといけないかもしれないし、土を耕してあげないといけないかもしれないし、水をあげることも必要でしょう。
当たり前のことを黙々とこなしていれば、その先にいつか花を見ることができるかもしれない。
ということでした。
身延さんは、その後パリオリンピックで銀メダルを獲得、現在も現役で、剣を振るだけでなく生活のすべてを捧げて鍛錬を続けていらっしゃいます。
そして玄室大宗匠は来月102歳になられ、誕生日もスクワットをなさることでしょう。
茶道を後の世代に繋ぎたい☆つづき
そんな折、区報に「文化芸術活動支援事業募集」を見つけました。
子供を対象とした活動を特別支援事業として応援し、書類・面接審査をクリアすれば補助金も出るということです。
茶道は、立派な文化芸術です。
良いではないですか。
早速区役所に出向き、生涯学習係の窓口で担当者に相談にのっていただきました。
私の希望は
学童に通っている小学生を対象とし、月一回ぐらいの定期訪問にしたい。
最初は遊び感覚でもよいので、まずは抹茶を知ってもらうこと。
おやつの時間にお菓子と抹茶。
私が点ててあげても良いし、点ててみたい子がいればそうしてもらう。
何度か繰り返すうちに、抹茶を飲むことだけが目的ではなく、その時間を楽しむ気持ちが出て来るはず。
その頃から茶道の決まり事を少しずつ教え、思いやりの気持ちや、おもてなしの気持ちを理解してもらう。
お気に入りの茶碗から焼き物のことを話し、茶器から漆の話へ、そしてその日の茶花から植物の話へと話題にはことかきません。
でも担当者からの指摘で 私の考えは甘かったことが判明しました。
学童といっても区内に13か所もあり、あまねく対象にしなければなりません。
駅近はいいのですが、電車はおろかバスさえ不便なところもあります。
補助金から交通費は出ないので、タクシーは使えません。
荷物がありますので、自家用車を運転できればいいのですが、残念ながらできません。
ぬか喜びに終わりました。
茶道を後の世代に繋ぎたい☆これまでの試み
茶道教室を始めて19年、稽古場は、親しく温かみがあり 通うのが楽しい場であることが第一ですが、稽古に向かう姿勢としては、緊張感をもって臨んでいただくよう指導しているつもりです。
でも長年固定メンバーで稽古をしていると、どうしてもマンネリ化しがちで、なあなあになってしまいます。
そんな時でも新人がメンバーに加わると、良い感じになっていくのは経験値で分かっています。
でも何もせず待っていても新しい方はやってきてくれません。
そこで地域のコミュニティ活動の場に出かけて行って、「抹茶カフェ」の看板を掲げ 気軽に立ち寄っていただく試みをしたことがあります。
でも閑古鳥が鳴く日が多く、失敗でした。
「抹茶カフェ」を開いているのは平日の日中ばかり、休みの日にも開くとか開店時間をずらしてみるとか、もっと工夫が必要だったと思います。
また、小学生対象に、春休みや夏休みに「茶道体験教室」を開いたこともあります。
こちらはいわゆるご近所さんに声をかけたもので、概ね好評でしたが、2020年コロナの流行で休止。
3年間も足止めされ、再開のご案内をしたときは、その頃の子供たちは塾通いや部活で忙しい年頃になっていました。
社会情勢も変わりました。働き方改革により就労人口が増えたため、私が活動したい時間帯には、そもそも時間がとれない人が多くなったこと、アクティビティがどんどん増え人々の趣味も多様化しました。
さらにSNSの普及でポスターやチラシでのお知らせの効果が薄れてしまいました。
それでは、茶道を後の世代に繋ぎたいという私の願いはどうしたら実現できるのでしょうか。
乙巳歳(2025年)初釜
二年半もブログから遠ざかっていましたが、親和会は変わりなく精進を続けています。
コロナの流行が下火の時に
2023年04月 鎌倉旧村上邸にて稽古茶事
2023年10月 ゼミでご一緒したO様K様を自宅にお招きして茶事
2024年05月 大佛次郎記念館にてTERAさんの「引次之式」挙行
そして 乙巳歳(2025年)初釜を新宿の柿傳で行いました
以下は終了後の私の記録です
茶事は毎回臨機応変に臨むべきものですが、昨日は特にそうでした。
柿傳さんと事前に打ち合わせする機会がもてなかったので、待合席が8Fのいわゆるレストランだったことに驚きやら納得やら。
火熾しや煙草盆は亭主半東ではなく柿傳さん。
中立中の毛氈の掃除も柿傳さん。
手桶を使ったのは今回が初めて、なぜなら今は蹲に水をひく水道があるので、教科書は手桶なので嬉しかったですが、手桶石が左か右か迷ってまちがいました。
正解は左、右は灯火をおく石でした。
こういうことや、腰掛待合の煙草盆・円座の扱い等は普段の稽古ではできないこと。
当日教えることもなかなかできないことなので、皆さんはやはり本で予習をして臨むべきだと思います。
茶室露地とも素敵で、お料理もおいしかったですね。
柿傳の係の方がとてもやさしく誠実な人柄で水屋はやりやすかったです。
襖一枚隔てた隣室では別のグループの人たちがほぼ同時に茶事をやっていたので、係の方も二部屋同時進行は大変だったことでしょう。
茶道で使う篩
茶道ではいろいろな道具を使いますが、決して表には出ない裏方の道具のひとつに【篩(ふるい)】があります。
まず思い浮かべるのが抹茶を漉す篩です。
美味しい薄茶を点てるため、また高価な濃茶を香り良く艶良く練り上げるため、どんなに時間がないときでも決して漉す作業を省略することはありません。
その篩の目数を普段は気にしたことがありませんが、私が会員になっている茶道のサークルで新規に購入することになりました。
サークルは、この秋に一席100名ほどの茶会を四席催す予定になっており、短時間に大量の抹茶を漉す必要から、効率よく漉せる篩が必要になったのです。
一般的に茶道具店で売られているもの、製菓用の粉ふるい、漉すのにあまり場所をとらないタイプといろいろ検討しました。一口に粉ふるいといっても小麦粉なのか、そば粉なのか、あるいは砂糖かもしれません。
実物を見て購入するのが一番良いのですが、ハンズにもロフトにも良いものがなくて結局ネットで探しました。
【篩】の目の細かさ粗さを表記する方法のひとつに、1インチ(2.54cm)にある目数(メッシュといいます)があります。
手持ちの抹茶用の篩は28メッシュ(ハズキルーペに天眼鏡も併用して数えました)でした。
ネットで販売している商品には、粉ふるいとあるだけで何メッシュという表記がありません。選ぶのは至難の業、やはり茶道具店で扱っているものが無難でしょう。
茶道で使うもうひとつの【篩】それは灰篩です。
灰と一口に言っても炉用と風炉用では違います。炉灰はアク抜きしたあと私は10メッシュ位の篩にかけます。一方風炉灰は28メッシュにかけて灰型を作っていました。灰型はいつも苦労しています。あるとき裏千家のオンライン茶道学で、業躰先生が美しい灰型をご披露したあとで
「皆さんもがんばって80メッシュに挑戦してみては如何」
とおっしゃったのです。
「えっ!灰を80メッシュの篩にかけるって何時間かかるの? でも乳鉢ですりつぶすくらいだからそうか」
と納得。28メッシュでふるった灰で、きれいな灰型がつくれないと嘆くのは論外でした。
夢の中にも篩が出てきそうです。


