2017年4月19日 特別展「茶の湯」

東京国立博物館に行ってきました。
【庭園の公開】
庭園はいつでも自由に入れるというわけではなく、毎年春と秋に開放しているそうです。
今年は5月7日まで開放しています。
庭園は、本館の裏手にあって中心に大きな池があり、その周りには多くの樹木の若葉が、初夏を思わせる春の光に輝いていました。
その中に「春草蘆」「転合庵」「六窓庵」「応挙館」「九条館」と5棟もの茶室があったのには驚きました。


今回、「転合庵」だけは内部がよく見えるように窓が全て開け放たれていました。
それには理由があって、今回の展示品のひとつである、ある茶入の、披露茶会の為に建てられた茶室だからです。
その茶入とは、小堀遠州八条宮智仁親王から拝領した『於大名(おだいみょう)』というものです。
小堀遠州は、京都伏見に転合庵を建て、お披露目茶会を催したそうです。
東京国立博物館には昭和38年に移築されました。


【展示】
3時間半かかって見た感想はというと、
昨年「茶道文化検定」受検のため公式テキストで勉強しましたが、その内容が見事に網羅されていたと感じました。
たとえば、テキスト<茶と禅>の章では、茶席における墨跡普及の歴史を学びました。
ひと口に墨跡といっても、「法語」「印可状」「道号説」…といろいろあります。
またそれらを書かれた高僧達、中国の虚堂智愚(きどうちぐう)圜悟克勤(えんごこくごん)…
日本ではおなじみの一休宗純大徳寺の始祖 宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう)…
など、暗記するのに苦戦したものが、今目の前にあるのです。
きっとあの苦労をしなかったら、目の前にある圜悟克勤(えんごこくごん)のいわゆる『流れ圜悟』にせよ、宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう)の『梅渓号』にせよ、「何だか難しい漢字が並んでいるわね」ぐらいの気持ちで、さっと通りすぎてしまっていたことでしょう。


掛物も茶入も茶碗も茶壺も花入もたくさんたくさん見ました。
その中に利休時代の唐銅皆具がありました。
その杓立に火箸がさしてありましたが、杓立からほんの5cmしか頭が出ていませんでした。
それほど杓立の首が長いということ。
点前<真之行>や<大円真>で柄杓を2度で引き抜く理由がこれで納得です。