2007年4月28日 葭棚

前回、三畳台目のお茶室に招かれた話を書いたばかりです。
小間の台目席はなかなか風情があるものですが、普通の家の和室ではなかなか味わえないものです。


ところが、普通の和室をあっという間に台目席に変身させる優れものがあるのです。
その名は“葭棚(よしだな)”です。


利休好みで用材は杉木地、客付きの柱は赤松の皮付きが用いてあります。
葭簀は煤竹でおさえてあり、客付きには釣棚がついています。


この葭棚は恩師にお借りしたのですが、私がお稽古に通っていた二十数年間これを恩師のお宅で見たことはありません。
親和会のお稽古場は四畳半の小間です。
この棚を置いてみたら、なんと嬉しいことに、いい雰囲気。
お点前は台子点前同様、水指は客付きの方において茶入れは畳の中央に置きます。


今日で炉とはお別れ、次回はもう初風炉ですね。
葭棚は炉でも風炉でも使えるので、今日お休みだったSさんとMさんのために次回もこの葭棚を使うことにしましょう。

今日の色紙は作者不詳ですが、「松聲」に抹茶茶碗の絵。
お花はアマドコロとえびね蘭です。