2007年4月15日 三畳台目茶室と亭主床

三月のある日、知り合いのお茶の先生から私にこんな招待状が届きました。

私とは流派が違う先生で、そもそもの出会いはお茶とは関係のない所でした。
あれからもう22年の歳月が流れました。
還暦を迎えられたということは、お茶を教え始めたのは まだ30代だったのですね。


数年前に、駅の近くに大きな御宅を構えられお茶室も作られました。
稽古場を整えられお弟子さんも増えたと伺っています。
そのお茶室ですが、なんとご主人様が単身赴任している間に建てられたとか。
その行動力にはいつも関心させられます。
そのお茶室は三畳台目、亭主床というめずらしいものです。
下座床というのはよく耳にしますが、亭主床とは?
亭主床というのは、点前座の奥に床の間を配置したものだそうです。
うろ覚えですが図面を描いてみました。

茶道口に注目してみましょう。
亭主は茶道口を入ると180度向きを変えて手前座に座わられました。
それから床の前の板敷きにも注目です。
実は私が入れていただいたお席の正客が正にこの茶室を建築された方だったのです。
その方に教えていただいたことですが、この板敷きがあって初めて茶道口が取れるのだそうです。
それから有楽窓というのも教えていただきました。
これは竹をぴったりくっつけて作る窓ですが、竹には節というものがあります。
ですからぴったりつけようとしても、節が邪魔して隙間ができるわけです。
この隙間が明り取りになるというものです。


ところで還暦茶会の趣向ですが、お客様は到着順に3、4人ずつが一組となり濃茶席⇒薄茶席⇒点心と進みます。
濃茶席では先生が亭主となり濃茶を練って下さいました。
半東さんは席に控えているのではなく、タイミングよく半東口と書いた入口からにじって入ってこられました。


薄茶席は一転して広間へ案内を受けました。
そこではお弟子さんがお点前をしてくださって、息子さんが席主を務められました。
二階の点心席ではお嬢様がお世話をしてくださいました。


そうそう 順序が前後してしまいましたがご主人様は受付、末っ子さんは道案内に立たれていました。
お茶室やお道具はもちろん素晴らしいのですが、なんといってもこの家族の協力体制が素晴らしい。
なんともうらやましいことです。
その素晴らしい家族を作り上げてこられた彼女こそ 本当に素晴らしいですね。


還暦おめでとうございます。
これからもご健康でお茶の道を邁進してください。