2009年10月24日

いつものようにYさんとお今日のお稽古の準備をしていると、一番にいらっしゃったIさんから素敵なプレゼントをいただきました。
「ベニシアの京都・大原の暮らし」2010年カレンダーです。
私がこのブログに ベニシアさんの暮らしに憧れていると書いたのを覚えていてくださって、私を含めて皆さんにプレゼントして下さいました。
ありがとう。とっても嬉しいです。家に戻ってから何度も何度もめくって楽しみました。
大原の四季がきれいです。冬は寒いんだろうな。
ベネシアさん家にはハーブや草花だけでなくミモザの木も藤の木もオールドローズもあるんだ。いいな、きれいだな。
台所には日本の古い食器棚、外国製の薪ストーブ、そしてベネシアさんがタイルを貼り付けて作った調理台があるわ。
フランス製だというコンロはどこにあるんだろ。
興味はつきません。
Iさん本当にありがとう。


風炉最後のお稽古は小板中置で濃茶、後炭、薄茶のお稽古をしました。
Mさんは少しお熱があってお休みでした。


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ここからは私の京繍(きょうぬい)体験談です。


10月18日(日)朝6時前に家を出て京都に向かいました。
京都駅9時15分、バスターミナルは既に観光客でいっぱいです。
私が乗る“岩倉操車場”行きのバス停にも長い列ができていました。
バスが来て乗り込みましたが、私の次の人は「次のバスにして下さい」と断られてしまいました。
私は運がよかったです。
バスの中はギュウギュウ詰めで、揺られること50分、十分余裕をみたつもりの体験予約時間10時半に遅刻しそうです。
電車にすればよかったとちょっと後悔。
京都市内はバスがとても便利ですが、やはり観光シーズンは道路も渋滞するし、客の乗り降りにも時間がかかります。
バス停から“京繍吉”(きょうぬいきち)の吉岡一郎先生に電話をすると先生自ら迎えに来て下さいました。
案内された自宅の仕事場は6畳ほどのごく普通の洋間でした。
そこに今日私が使わせていただく刺繍台が置いてありその前には大きな分厚い座布団が置かれています。


先生がお茶を用意しに階下に降りられたあとちょとキョロキョロ。
先生が仕掛中の刺繍台には布がかけられています。
(その時は拝見できませんでしたが、後で見せていただいたら能面の“翁”で綿を入れた立体的な作品でした。)
ベランダで洗濯ものが気持ちよさそうに風に揺れているのがガラス戸越しに見えます。
「ああ、先生は毎日このベランダに面した明るいこの部屋でお仕事をなさっているんだ」
と思うと先生をとても身近な人に感じられました。
そこに先生がお茶とおしぼりを持って入ってこられました。
先生はちょうど還暦のお歳だそうで とても誠実なやさしいお人柄がお顔にも会話にも溢れています。
一人での体験でしたが、何の不安もなく楽しんで3時間過ごさせていただきました。


私が作業している傍で先生はいろいろな話をして下さいました。
その中でも印象に残ったことが「下絵を自分で読み取る力が大切である」ということです。
葉っぱ一枚を繍うにしても そこに重力や風の流れを意識して線を読み取りなさいというのです。
技術的なこと(糸の止め方、繍い方等)を習得するのはそう難しいことではないと思いますが、
勢いのある生き生きとした作品に仕上げるためには図案を「読み取る力」が確かに大事なのだと思います。


楽しい話もして下さいました。
お薦めの安くておいしい処、観光ブックにはあまり載っていないお寺のこと。
ちなみに費用は5,000円でした。

Mさん風邪でお休みでした。