2009年11月7日 口切の稽古

今日は立冬
16号線の街路樹アメリハナミズキが紅葉してきたなと思っていたらもう大分葉を落とし始めました。
好季節をゆっくり楽しみたいと思っているのに、秋は足早に通り過ぎようとしています。
お茶の世界でも名残の気持ちに蓋をして開炉を迎えました。
「関」の色紙を掛け照葉に曙椿を入れました。(Oさん、お花いつもありがとうございます)


今日の開炉の日に口切のお稽古を初めてしました。
毎年茶壺を出して 拝見の仕方や紐の結び方はお稽古していましたが、葉茶上合を出して口切のお稽古をするのは初めてです。
お稽古ですから、茶壺を茶師に送って茶を詰めてもらったわけではありません。


障子紙で濃茶葉用の袋を3つ作りコヨリ(たねやさんでお菓子を買うとコヨリで箱を縛ってくれるのでそれをためこんでいました)で閉じて コヨリの先の撚りを戻し濃茶名を書きました。
濃茶葉用の袋を壺の中心に入れ まわりには詰茶として安いウーロン茶を詰めました。
かかった費用は千円ぐらい。お稽古には十分です。
今日は私がお点前しましたが、次回の稽古日28日には皆さんにもやっていただこうと思っています。


御茶入日記には茶師が茶名と摘んだ日そして量を書き入れ署名をします。
量は昔の重さの単位である斤(きん)匁(もんめ)で表します。
茶壺の大きさにもよると思いますが 今日使用した茶壺には
濃茶の1袋が10匁、グラムでいうと37.5gが3袋、
詰茶は参斤とありますから1800gが入る計算になります。


昔の人はこれを1年分のお茶として取り寄せたわけですから、封を切るときの喜びはいかばかりだったでしょう。
また暑い夏を超える頃は残りの茶葉も少なくなり、10月の名残の季節にもなれば“名残”という気持ちがしみじみと心に湧き起こったはずです。
いつでも欲しい時に欲しいだけ手にいれることができる現代の世に生きる私達には、昔の人の想いを偲ぶことしかできません。

Mさんご用でお休みでした。