2013年3月30日 お稽古のないある土曜日

鶴見にある曹洞宗の寺 建功寺に行ってきました。
山門を入ると頭上におおいかぶさるようにピンクの椿、きっと乙女椿でしょう。
花曇りの寒い日でしたが、優しさに包まれた感じです。
奥に進むと赤、白とたくさんの種類の椿が「私も見てください」と主張しています。
中には花一輪が赤ちゃんの頭ほどの大きさのものもありました。
驚くほど巨大な石灯籠もありました。
本堂からは読経が聞こえますが、境内には人気もなく隣接する墓地に少し遅い彼岸参りに来た人とすれ違っただけでした。


この寺の住職である枡野俊明氏は庭園デザイナーで有名ですが、鶴見東口に昨年秋オープンしたCIALのプロデュースをしたということです。
そこでCIALにも行ってみました。


まずお腹がすいたので6Fのレストラン街に行きました。
各階のエスカレータやエレベータ近辺はこんな感じです。

露地の蹲をイメージしているのでしょうか。

トイレの入り口も素敵です。

レストラン街は正確に言えば典座小路(てんぞこみち)という名称です。
そういえば禅宗で食事を作る人を典座というのでしたね。
鯛茶漬けをいただき身も心も温かくなったところで、屋上庭園に行ってみました。
ここは枯山水の庭園でした。

次に5Fの禅CAFEに行きました。
茶室が備わっていました。
この禅CAFEでは軽食と甘味を供していますが、
甘味を注文すると好みのお茶が選べます。
私は茶室を正面から見られる席に座り、餡みつと八女茶をいただき至福の時を過ごしました。
ここでは禅の講和等のイベントが定期的に行われているそうです。
茶室を茶室として使うときはどんな時なのかしら。尋ねてくればよかったとちょっと後悔。

床には
建功寺 枡野俊明筆
「坐水月道場」
天井は真行草になっており、洞庫もある本格的な茶室。
床脇を坪庭に見立てた設計は斬新ですね。
 

枡野俊明氏がどうして庭園デザイナーになったかも興味あるところですが、
彼の著書によると、曹洞宗のお寺の長男として生まれた彼が、まだ小学生のころ家族旅行で京都へ行った時のこと。
たくさんのお寺を見て一つひとつの庭に感動し、自分の家の寺もそういう庭にしたいと思ったそうです。
まだ小学生ですよ。
小学生で庭園の良さが分かるなんてちょっといないですね。
住職と庭園デザイナーどちらも天職なのですね。


この日のもう一つの目的は馬場花木園に行くことでした。
馬場花木園は私の一番好きな庭園です。
この季節の園内にはこんな花が咲いていました。


イカリソウ
←ピンクの辛夷素敵ですね
水面を覆い尽くす桜の花びら、その傍にはたくさんの土筆がありました。

鯉も深窓の令嬢ならず桜のベールに隠れています。

竹林へと続く階段はまるで雪が積もったかのよう。