2013年4月10日 研究会

今年2回目の研究会に参加してきました。
ご指導にあたられたのは冨士田宗啓業躰先生です。
普段お稽古をしていて、曖昧な点やどうしてこの場面でこの動作が入るの?という疑問は数多くあります。
調べても答えが見つからず、質問をぶつける師もいない私は、「いつか答えを見つけたい」という思いでアンテナを伸ばしています。
研究会はその絶好の機会です。


今から4年前の4月の冨士田宗啓業躰先生のご指導の時でした。
確か“大円真”のお稽古でした。
先生が
「奥秘はひとつずつ覚えようとせず、比較しながら同時に覚えるとよい。」
とおっしゃいました。


唐物茶入と一口に言っても、中興名物に属するもの、大名物に属するもの等いろいろあるわけです。
どんな道具を使うかによって自ずとお点前は決まるはずです。
ところが私達は、お点前を覚えるために、数少ない道具をやりくりし、時には見立てて用いているのです。
道具ありきではなくお点前ありきなのです。
その辺が奥秘を覚えきれないでいる原因かもしれません。

道具の格にによって扱いが異なるのは当然のことです。
先生がおっしゃるように、比較しながら同時に覚えていけば抵抗なく覚えていけるのではないかしら。
先生のお言葉を伺った時は、目から鱗のような気持ちでした。


今回の科目は、【盆香合】【茶筅荘】【流し点】【行之行台子】でした。
各科目毎に私の“ちょっとした疑問”に答えが見つかりました。
忘れないように書き留めておきます。

【盆香合】
1.道具を左手でとるか右手でとるかの疑問
 炭斗は右手にあるので、羽根も釻も火箸も右手でとるが、逆勝手の場合は左手にあるので左手でとる。
 ここまではいいのですが、香合は逆勝手の場合も右手でとる。これに対する答えは、香合は小さいので、特に気をつける意味で右手でとることにしています。

2.初炭なのに盆香合では釜に水を注ぐという疑問
 淡交の「炭の歴史」という一文の中には、昔は朝一番で釜を掛けていたとあります。客が見える頃は当然湯量が減っていたはずです。だから水を注ぐ。盆香合にはその名残があります。

【参考】
灰器のくりあげ
 炭所望の時に亭主が灰器をくりあげて水屋に下がりますが、これは灰器が敷き合せにある時は水屋に下がることができないというルールがあるからです。

茶筅荘】
1.初座で床に茶入が荘ってあれば茶入荘、茶碗が荘ってあれば茶碗荘、茶杓が荘ってあれば茶杓荘、何も荘ってなければ
 水指や蓋置や建水や風炉先などに由緒があるはずなので、蓋置に柄杓を引いて総礼したところで、正客は「茶筅荘とお見受け致しますが、ご由緒のある品は?」とお尋ねします。


2.どうして水指の蓋が塗り蓋をし使用するかの疑問
 共蓋の水指は通常濡らして使うものなので、茶杓をのせるのには適しません。


3.濡れたもの例えば、水指や建水や蓋置を拝見に出すときは、晒にのせて出すことになっています。客は水指を拝見するときはころころ回しません。底は必ず拝見しましょう。