2015年7月13日 祇園祭

祇園祭りというと山鉾巡行ばかり目につきますが、実際は1カ月にわたり様々な神事・行事が行われる八坂神社の祭例です。
現在32基の山鉾(山と鉾です。鉾は高さがあるもの、それ以外は山です)があり、それぞれ町単位の保存会が運営しています。
ひとつひとつに歴史やいわれがあり、それに基づいた行事や風習・懸装品と呼ばれる美術品が残っています。


一度行って見たいと思っていたところ、先日知人からお奨めの見方を教えてもらい、それなら私一人で気軽に出るかけられるし、日帰りできることがわかりました。
そのお奨めの見方というのは、巡行の日や宵山の日はとても混雑するので、その前を狙うというものです。
多くの山鉾は巡行の数日前には組立が終わります。
これを鉾建(ほこだて)と呼び、各山鉾の鉾建の日程はインターネットに情報が出ています。
もちろん場所も情報が出ています。
私はそれらの情報から、見たいものをいくつかピックアップしました。
一番有名な長刀鉾(これはいつも巡行の先頭を行きます。他はくじで巡行の順番が決まります。)
それと菊水鉾
菊水鉾は、千利休の師である武野紹鷗の大黒庵邸内にあった井戸「菊水の井」に因んだもの。それゆえ連日茶席が設けられ各流派が担当しています。
最低この二つが見られて昼食に半兵衛麩を食することができれば目標達成としましょう。


13日月曜日。新横浜7時少し前のぞみ自由席に乗りこみました。
月曜日ということもあって自由席はビジネスマンでいっぱい。
何とか3人席の真ん中に空席を見つけました。
ちょうど2時間で京都着。
「京都は暑いから熱中症にはくれぐれも気をつけるように。」と家人から言われて出てきましたが、その日の京都は風があってまあまあ。


半兵衛麩は五条大橋のたもとにあり11時の予約、一方山鉾は四条烏丸の辺りに点在しています。
四条烏丸五条大橋行ったり来たりが面倒なので、山鉾は半兵衛麩で食事後と決めました。
予約まで2時間ほどあります。
京都駅から五条大橋に向かう途中にある東本願寺渉成園、ここは素晴らしい庭園です。
以前一度見たことがありますが、もう一度見たいと思いました。
門前まで行くと前は無料だったのに有料になっていました。急に気が変わりそこをパス。
他にも見たいところが出て来るかもしれないと歩を進めましたが、結局は外になく鴨川の水の流れを聞きながら時をやり過ごしたのでした。


さて半兵衛麩ですが、店内がとても素敵で、器をはじめ調度品も魅力的なものばかりでした。










店員さんの応対も丁寧で料理もとてもおいしかったです。

半兵衛麩を後にして四条通りに出、河原町から烏丸に向けて歩き始めました。
さすがに観光客が多く賑わっていました。
烏丸に近づくと遠くに鉾が見えて来ました。
近づくとそれが長刀鉾でした。
四条通りの歩道側は鉾やテントがたちならび、写真をとる観光客、ちまきなどのグッズを購入する多くの人がいました。
私も数枚撮りましたが、なかなか鉾の全容がみえず、しかも雨よけのビニールがかかっているので物足りなさが残りました。

室町通りに折れるとすぐに菊水鉾がありました。


すぐ傍に武野紹鷗の大黒庵邸内菊水の井の石碑がありました。

これまた全容が見えにくいのですが、それでは中を見ようと拝観券になる1,000円のストラップを購入し登らせてもらいました。
広さは3畳ほどでしょうか。
ここに40人もの囃子方が乗り込むというのですから驚きです。
←天井
←柱の金工細工
←胴掛は老人に鶴と亀

2時から茶会。席入券を2,000円で買い求め茶席に入る人の行列につきました。

←今日は裏千家担当で皆さんお揃いの浴衣です。
←男性による献茶の点前
←菊水鉾は、菊の露の「したたり」を呑んで長寿を保ったという中国の故事に因んだ鉾です。
この菓子は、菊の露の「したたり」にあやかって作られた不老長寿の銘菓で 廣永製です。
菊のお皿は持ち帰りでした。

最後に八坂神社をお参りしてバスで京都駅に戻りました。
よく歩いた一日でした。
協力してくれた家人に感謝です。