2015年7月28日 炉灰あく抜きと湿し灰作り

今年の梅雨開けはちょっと早めの19日だったと思います。
翌日から早速梅干し作業。
主婦歴40年近くにもなるのに、これまで梅干しを作ったことがありませんでした。
スーパーで買う梅干しは塩分も控えめで、シソなし、シソ入り、はちみつ入りといろいろあっておいしいです。
私はシソ入りが好きですが、息子ははちみつ入りが好きです。
買う時は紀州南高梅を選んでいますが結構お高い。
お稽古に見えている方の中にはお忙しいにもかかわらず梅をご自分の手で漬けている人がたくさんいらっしゃいます。
そんな方の刺激をうけて今年初挑戦の私です。


灰作りのことを書こうと思っているのに、何故梅干し作りが出て来るかというと、まんざら関係がないでもありません。
つまりお日様と作業場所の取り合いになるからです。
梅干しはよく土用の丑の日のころに3日3晩干すんですよね。
一方灰作りも、じりじりと太陽が照りつけるこの時期が最適なのです。


ということでまず梅干しを20日から23日で片付け、26日から灰作りにとりかかりました。


灰には風炉灰と炉灰があります。
この時期に使う風炉灰は指先で摘まんで指をこすりあわせると、まるでおしろいや小麦粉のような感じ。

一方炉灰は細かい砂粒のような感じです。(購入したばかりの時はそうでした)
ところが使っているうちに砂粒から土のようになってしまうのです。
それに炭の燃えかすや微塵が混ざって(毎回炭を置く辺りだけは料理用の網杓子で篩って捨てているのですが)汚くなってきます。
今回の目的は炉灰を買った時の状態に復活させることです。
それと湿し灰作り。


さて写真を撮りながら作業を進めましたので今後のために記録しておくことにします。

1. ひとシーズン使った炉灰と昔いただいた古い灰をバケツ4つに入れ、水を注ぎかき混ぜてからしばらく放置します。すると灰は沈殿し、アクや汚れを含んだ水は灰の上にたまりますので、バケツを傾けて水だけ捨てます。(静かに流さないと灰も流れてしまいます。米とぎと同じですが、灰は米よりずっとずっと粒子が小さいのでやりにくいです)
次の写真はその作業を既に3〜4回繰り返したもので水は大分澄んできました。

最初は下の写真のような状態で、泡がブクブクです。

2. さらに水を切るために下の写真のようにポリエステルの風呂敷を濾紙のかわりに使いしばらく放置します。

3. 水が切れた灰をゴザに広げて天日に当て乾かします。このために夏の太陽が必要なのです。

4. まだ生乾きのうちに篩にかけます。
炉灰の場合は10メッシュの篩がベストです。
10メッシュというのは1インチに10目ということですから、ひと目が2.5mmほどでしょうか。園芸用の中目にあたります。
ちなみに風炉の灰は40メッシュ以上なので粉篩くらいです。
この篩うという作業が結構大変で腰が痛くなりました。

5. 篩った生乾きの灰を完全に乾かすまでまたゴザに広げて…翌朝きれいにできました。


次に湿し灰にとりかかりました。
Ⅰ あらかじめほうじ茶と丁子(クローブ)の煮出し汁を薬缶いっぱいにつくっておきます。

Ⅱ 上記3までの工程を終了した灰に下の写真のように煮出し汁をかけ湿らせます。

Ⅲ すぐに手で揉みながら全体に湿り気を行きわたらせます。

Ⅳ 写真はありませんがそれを天日で乾かします。
Ⅴ 上記ⅡⅢⅣの工程を3回ほど繰り返しました。
Ⅵ 最後はまだ湿り気が十分残ったまま10メッシュの篩にかけバケツに入れ蓋をして完了です

梅干し灰の手入れとも、太陽のお陰さまとちょっとした肉体労働で滞りなく終了しました。