2011年9月13日 研究会

本日の科目は逆勝手にて初炭、濃茶、薄茶でした。
始めに倉斗業躰先生から逆勝手についてのお話がありました。


普段のお稽古において逆勝手でお稽古することはまずありませんが、研究会の前には予習のつもりで、いつもの稽古場の点前座を変え逆勝手のお稽古をしてみます。
そのたびに、かなりの集中力をもって両手両足を動かさないといけません。
頭の体操にはなりますが、「どうして逆勝手なんてことが発生したのかしら?」という疑問が生まれてくるのが常です。

今日業躰先生のお話をうかがって、納得致しました。正確には納得したつもりです。


本勝手の茶室では、亭主は北を向いてお点前します。
明りは東側と南側にある下地窓、連子窓そして突き上げ窓から取り入れます。
時間の経過とともに光が移っていくのを趣向のひとつと考えた茶室です。


国宝である待庵は、千利休が作った茶室ですね。
間取図は次のとおりです。



二畳の隅炉で躙口が南側にありお客様は南側から入ります。



一方逆勝手の茶室とは、明りの変化がない茶室。
お客様は北側から入ります。
業躰先生のおっしゃったことが上手く表現できないのがもどかしいのですが、私としては兼六園の時雨亭で一応納得したつもりです。
下の図が兼六園にある時雨亭です。

見取図の中央上部の”御囲”というところが一畳台目の逆勝手の茶室です。
これは勝手水屋とのつながりで逆勝手になったものと考えられます。
一畳台目の逆勝手の茶室の写真です。




つまり本勝手、逆勝手は好みの問題ではなく、建物の一角にある茶室の位置で逆勝手にならざるをえない場合があるということでしょう。
簡潔にまとめることができませんんが一応記録しておきます。