2011年11月5日 松籟庵にて稽古茶事

松籟庵は、茅ヶ崎駅からほど近い高砂緑地内にあります。
日本庭園の一角にある松籟庵は、茶室と書院を渡り廊下で結ぶつくりで、茶室は裏千家の代表的な茶室である「又隠」を、書院は表千家不審菴の「松風楼」を写している本格的な茶室です。


茅ヶ崎市民は利用日の3カ月前から予約できますが、茅ヶ崎市民以外は2カ月前からです。
人気の高い茶室で、しかも季節の良い土曜日とあっては競争率は当然高くなります。
幸いなことに私の職場の同僚が茅ヶ崎市民であることから、親和会の代表にお名前をお借りして今回利用できる運びとなりました。
お道具もたくさんありますので、事前にお借りするものをリストで提出しておきましたところ、係の方が当日水屋に出しておいて下さいました。


総勢10名、にじり口から席入りするのが初めての方、久しぶりの方と、経験は様々です。
4畳半の茶室は京畳で広く感じられました。
8人の客と亭主でも十分な広さです。


主客の挨拶を交わして、本来なら懐石のところですが、今日は仕出弁当です。
10畳の書院に移り和やかにいただきました。
お菓子は、縁高に鶴屋吉信製で銘が“柿の葉”
先刻の腰掛待合で足元に落ちていた葉がそのままお菓子になったように良くできていました。


お菓子をいただいて再び腰掛待合に出ました。
晩秋とは思えぬ暖かさで、お着物だとむしろ暑いぐらいです。
でも足元の落ち葉を見ればやはり晩秋です。
亭主の打つ銅鑼の音がかすかに聞こえてきたところで一同かがんで耳を傾けました。
さあ今度は頭をぶつけずに上手に席入りしましょう。


濃茶は茶室でいただきました。
いつもの稽古場はとても明るく、少し暗いとすぐに電気をつけてしまい、暗い部屋でお点前をしたり客になったりという経験はほとんどありません。
でも今日は、明り採りの小窓から差し込む光だけが頼りです。
天気が悪い日は本当に暗いでしょうね。


唯一松籟庵の欠点をあげるとすると、炭が使えないことです。
公共の施設ですから仕方のないことですね。
必然的に続き薄茶になるところですが、折角たくさんのお道具をお借りしているので、薄茶は書院にて、お道具をすっかり変えて行いました。


亭主役のHさん、半東役のMさんありがとうございました。
また、親和会の新たなメンバーになって下さったKNさん、OYさん、MMさんと交流を深められたことをとても嬉しく思います。