2013年2月18日 研究会“仙遊之式”

宗瞳さん、宗鶴さん、宗京の3人は泉本宗悠業躰先生より”仙遊之式”の稽古をつけていただきました。
“仙遊之式”は5人で行うものですが、残念ながら親和会から全員出すことはできませんでした。
“仙遊之式”は玄々斎宗匠のお好みになられたもので“且座”が基本になっています。


東・半東・正客・次客・三客で行うもので
花は花所望で全員
炭は初炭所望で三客が
香は本香が正客で次香が次客
濃茶は東が練り全員で頂き
薄茶は花月になって3服点
という流れです。

出番は午後1時半から所要時間は約1時間半でした。
出番の30分ほど前に舞台に上がり、花づもりや足の運びを練習するはずでしたが、修練係の方にご用意いただいた花の花づもりに手間どり、結局足の運びを練習出来ないうちに緞帳が上がってしまいました。
自分達も出来る限り花の用意をしていくべきと反省しました。
案の上、正客の私は京畳に歩幅が合わずご注意を受けました。


花⇒炭⇒香⇒濃茶となんとか順調に進み、花月での薄茶になりました。
この“仙遊之式”では一番面白いところだと思います。
8畳から4畳半につめて薄茶3服、その後の座替わりは普通と違って一気に八畳の自席に戻ります。
ここが一番のポイントとなるところですが、取り札が偏ってしまい、正客・次客・三客とも全然動かずじまい。
初花は半東、二番花は東、そして仕舞花は再び半東に当たってしまったのです。(>_<)
会場で観て下さった会員の皆様にはあまり良い勉強になったとは思いません。
でも業躰先生も何もおっしゃらないので、役札を交換することもできず、そのまま流したのでした。

兎にも角にも、今日を迎えるまでにたった1回のお稽古しかできなかった割には大きな失敗もなく終えることができました。
これもひとえに故人となられた恩師が見守ってくださったからこそと新ためて師に感謝の念で一杯です。
進行中は先生が合間を見て有意義なお話をしてくださっていたので、それに耳を傾けつつ、ハッと我に返って自分の役目をこなした状態で、もっともっと先生のお話を伺っていたい気持ちでした。
終了まで1時間半もかかったのが信じられない程短時間だったような気がします。


終わって舞台裏で帰り仕度をしている時、業躰先生が通りかかられたので改めてご挨拶しました。
私達の師が先月亡くなられたので今日は供養の気持ちで臨んだこと、既に7年程前に稽古場を閉じられたので自分達は自主稽古していることをお話しました。
すると近くにあった花を指し示して
「帰ったらお花を供えてご報告しなさい。それから皆で飲み会だね。」
と心温まるお言葉を頂戴しました。
業躰先生、天国に逝かれた師、そして私達を支えて応援して下さった皆様 ありがとうございました。

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午前中に行われた“真の炭”“真の行台子”を通して業躰先生がおっしゃったこと あまりたくさんあり過ぎますが、ほんの一部記憶に残っていることだけを書き留めておきます。
【台子が宋の国からもたらされた】

聖福寺(しょうふくじ)
福岡市博多区御供所町6−1
日本最初の禅寺
開山は栄西禅師(えいさい又はようさい)

崇福寺(そうふくじ)
福岡市博多区
臨済宗大徳寺派
台子は通説では文永4年(1267年)南浦紹明が宋の径山寺から持ち帰ったものが崇福寺に伝えられ、後に京都の大徳寺に渡ったとされる。これを天竜寺の夢窓疎石が初めて点茶に使用したとのこと。

【5台子とは】
真台子
竹台子
及台子
爪紅台子
高麗台子

【真の炭】
神折敷は木地と塗りがありそれぞれ大小がある
真の炭に使うが研究会では木地を使用していた
辻堂香合は番付けが高い
辻堂に枯葉が舞う⇒侘び
型物香合の10や20は言えるようにしておきなさいとのこと。

【真の行】
点前最後に台子天板に中次を荘る際は、中次の下に奉書紙を敷いた意味
薄茶は別席でさしあげます
【四畳半】
四畳半に台子を据えるということは広間の扱い
四畳半で座掃きをするのは小間の扱い
つまり四畳半は広間でもあり小間でもある

つぼつぼの蓋置
【つぼつぼの由来】
以下はTEA茶録 http://wa-no-kokoro.cocolog-nifty.com/blog/から引用させていただきました。
お茶道具の中につぼつぼの文様意匠があります。
三千家家元の替え紋にもなっていますがそれぞれ組み方が違っています。
宗旦は伏見稲荷を信仰していました。 
京都の伏見稲荷では、初午の日に「田宝」という素焼きのつぼ型の土鈴がお土産として売られています。  その形がヒントになったということです。
田宝は口のすぼまった丸い形をしていて、中に粗塩を入れて火の中に投じ、焼塩を作るのに使われたそうです。
小振りのものは手の中で転がすと「ツボツボ」というような音が出るのでおもちゃになったとのこと。
伏見稲荷大社は稲荷神を祀る全国四万社の稲荷神社の総本宮で、稲荷神は五穀豊穣、商売繁盛、交通安全のご利益があります。
毎年十月二十四日には裏千家家元による献茶式が行われます。 
可愛らしいお土産を替え紋にする宗旦の美意識が偲ばれます。