2008年9月6日 茶通箱

来週の土曜日は淡交会横浜支部の終身正会員対象の研究会があります。
Hさんが出席予定です。
科目は季節を少し先取りして五行棚にて初炭、大津袋、薄茶、茶通箱付花月となっています。
そこで今日は茶通箱のお稽古をすることにしました。
このお点前は、連客の中から濃茶をいただいた時などに、亭主が用意した茶といただいた茶の2種類の濃茶を供するときの点前です。
茶通箱の扱い方に慣れることが大切で、わざとらしくならないように自然と手が動くようにしたいですね。


☆☆☆ここからは御物袋(ごもつぶくろ)作りに挑戦した記録☆☆☆

御物袋(ごもつぶくろ)はお茶碗を入れる袋のことです。
家にあった本に御物袋の作り方が載っていました。
いつか挑戦しようと思いながらもうすでに10年位たってしまったかもしれません。


今回重い腰を上げた理由はというと…
小習16ケ条の中に荘りものがいくつかあります。
茶筅荘、茶入荘、茶杓荘、茶碗荘、壺荘
荘りものに使う道具は、客が席入りした時に床に荘っておくのが約束です。
客はその時点で今日は“○○荘”のお点前であることが解るわけです。

茶碗荘のときは、本来 茶碗を御物袋に入れて荘るのが習わしですが持ち合わせがなかったため帛紗の上に荘るくらいしかできませんでした。
以前恩師から拝領した楽茶碗(写し 長次郎作 銘「なでしこ」祥悦造)に合わせた御物袋を作ってみようと思い立ったのでした。


主な材料は、表用 裏用の布、間に入れる綿そしてです。

こう書くと材料はとてもシンプルなのですが、それがいざ入手する段になるとそう簡単ではありませんでした。
布は以前高島屋着物の端切れを詰め合わせて売っていたのを買い求めていたので、その中から紫色のとてもやわらかいものを選びました。


綿は青梅綿真綿と書いてあります。
手芸やさんではポリエステルの綿しか売っていません。
Yさんに相談すると、真綿はYさんが持っているし、綿は近所の布団やさんで手に入るとのこと。
二人で布団やさんに行くと、「青梅綿を製造しているところはもうありません」とのこと。
青梅綿って私は見たことがないのですが、幅が小さい綿らしいです。
しかたなく布団用(?)の綿(幅が30〜40センチ位のもの)を最小単位(重さ何グラム?)500円で購入。
それをちぎって使うことにしました。


問題は紐です。組紐かがり糸をどうやって手に入れるかです。
手芸やさんではポリエステルの紐なら手に入れることはできますが、紐に張りがないし結び具合が不安です。
そこでインターネットで探しまくりました。
そしてついに見つけたのです。京都のお茶道具やさんで茶入れ用の紐、長緒、御物袋用の紐とかがり糸を販売していました。


しかも露結び組留もできあがっています。
さっそく手配しました。紐とつがり糸が2,600円、送料400円しめて3,000円でした。

「材料が用意できれば、50%はできたようなもの、あとは本の作り方通りに作ればいいのだから。」
とタカを括ったのは大きな間違いでした。
本を見ても私の知りたい事まで載っているとは限りません。
試行錯誤をしながらもなんとか仕上げましたが、果たしてこれでいいのでしょうか。
多少違っていたとしても、お茶碗を守るという目的は果たせそうです。


反省点:
お茶碗の腰のあたりのカーブがうまく出せませんでした。
ダーツをもっと深くしなければばらなかったようで、少しダブついています。
難しかったところは、円形の底の部分を縫うところと“つがり”の部分でした。
この“つがり”の部分は、本はほとんど役にたたず、茶入れの仕服を見ながら作業しました。


いろいろ不満が残る出来具合でしたが、なんとか投げ出さずに完成させたという意味ではちょっぴり満足です。