2008年2月9日 逆勝手

暦の上では春になりましたが、きっと今が寒さのピークでしょう。
とにかく寒いです。今日も天気予報では午後から雪になるかもしれないとのことです。


裏千家では二月は大炉の季節。大きな炉に広口のお釜をかけてお客様をおもてなしするそのアイデアは、なんと素晴らしく贅沢な趣向でしょう。
そして大炉といえば逆勝手です。


私達のお稽古場はあいにく大炉はありませんが、今日はいつもの茶室を逆勝手になるように茶道口を替えてみました。

さあ頭の体操です。いつもは帛紗を左につけますが今日は右、いつもは右足から入るところを今日は左足から。
なにしろ身体がいつもの仕草を覚えていますから、ちょっと集中力を欠くともうデタラメになってしまいます。
でもデタラメにやってしまうと、やはり次の動作がうまく行かないんですよね。

炭点前では羽や環を左手で取るのでその調子で香合も左手で取ると蓋を開けようとすると???
建水にこぼすときもすべて右手と言うわけにはいきません。次の動作で茶巾を使うときは左手でこぼさないとね。

という具合です。でもIさんはとても集中できていて素晴らしいお点前でした。お点前にはその日のコンディションがとても大きく作用しますね。


今日は“馬上杯”という形の楽茶碗を初めて出してみました。
形の由来は、武士が馬に乗ったまま片手で持てるように高台がとても高くなっています。


昨年のNHK大河ドラマ風林火山」で上杉謙信役のGacktさんが戦場で馬上杯で御酒を飲むシーンが印象的でした。(この時の馬上杯は漆器で、初め見たときは鼓の胴を持っているのかと思いました。が、今考えてみるとこれが馬上杯だったのでしょう。)
“馬上杯”は二月の初午の頃の趣向でよく使われるということです。


ちなみに今年の初午は2月12日、この初午というのは稲荷神の信仰で、五穀豊穣や福徳を祈願するのだそうです。
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KさんOさんお休みでした