2008年5月10日 Nさんからいただいた干菓子

風炉の季節を迎えました。
風炉になったのを一番実感するのが炭です。
風炉炭のなんと華奢なこと。
まるで人が厚いコートを脱いでセーターを脱いでブラウス1枚になった感じです。
桑小卓にとり合わせた染付の細水差しと甲赤棗もすがすがしいこの季節にぴったりではないでしょうか。

今日も前回もお干菓子は知り合いのNさんから頂戴しました。
Nさんはもうお菓子作りを習い始めて10年になるそうです。
私をはじめ親和会の皆さんは和菓子大好き人間の集まりですが、味やデザインや銘にはこだわるものの製法となるとちっとも解りません。

これは前回のお稽古日にいただいたものです。
大徳寺納豆の入ったあずき色のお菓子は鶴屋吉信製ですが、桜の花びらはNさんの手作りです。
これは【雲平】という種類のお菓子です。
和三盆の詰め合わせなどに、アクセント的に入っているあの硬いお菓子です。
Nさん曰く
「皆さん雲平は硬いものだと思っていらっしゃるでしょうが、作りたては柔らかいのよ。」
本当に柔らかい!
考えてみると片抜きするわけだから柔らかくなくてはできませんものね。


【雲平の作り方】は、粉糖と寒梅粉を少量の水で揉みまとめるのだそうです。
【寒梅粉】初めて聞いた材料です。
便利なインターネットで調べてみたら、なんと寒梅粉だけを製造販売している店があるんですね。
その店のホームページに寒梅粉ができるまでの工程が詳しく出ていました。
勝手ながら簡単にまとめてみました。

    • もち米を洗って水に漬け、粉砕してから水と熱を加えて餅にする。
    • 次に鉄板で薄く伸ばした餅を焼く。
    • せんべい状になった餅を細かく粉砕して出来上がり。

ついでにどうして寒梅粉という名前かというと
新米を粉に挽く時期が、寒中の梅の咲く頃なんですって。

これは今日いただいた【寒氷】というお菓子です。
豆腐半丁ほどの塊でいただいたのを、Nさんが書いてくださったメモを見ながらアヤメ、カキツバタ風に切ってみました。
Nさんによるとこれに緑色の雲平で茎と葉を添えれば立派な見ごたえのあるお菓子に仕上がるそうです。
確かにそうですね。

ちなみに今日のは姫あやめ、主菓子が練りきりの表面にあやめの型取りがのっている湖畔の乙女、そして干菓子もあやめとあやめ尽くしでした。