2009年3月14日 和巾点

【和巾点】というお点前は名物裂や拝領裂等で作った古帛紗の上に、中次を袋に入れた茶入をのせて扱う点前です。この場合の古帛紗のことを“和巾”と呼びます。


この点前の起こりはというと
11代玄々斎が時の帝に茶銘“竜の影”(上林詰め)を献上したところ、お返しに布をいただいたそうです。
その布で“和巾”を作り、このお点前を考案されたのが始まりと聞いています。
この時の裂地は“招杷緞子(しょうはどんす)”だったと記憶しています。
招杷という漢字がわからなくて調べているときに、招杷というのは文様の呼び方ではなくて織りの呼び方であることがわかりました。
つまり招杷とは表地と裏地に同じ文様が出る織物だそうです。


和巾点のお点前はというと濃茶点前に和巾の扱いが加わっただけですから、難しいものではありません。
要は和巾の扱いに慣れれば良いということになります。

ところでこの写真の和巾(共布で仕服もあります)の裂地がわかりません。
よく見ると、鳥、馬、鹿、華文、建物の門、竹垣などが見えます。
相当 格のある裂地のようなので、皆で裂地集などを探してみましたが見つかりません。
今後の課題として残しておきましょう。


順序が後先になりましたが、【和巾点】の前にMさんが初炭点前をしてくれました。
香合は貝合わせを用いました。

貝の香合は炉、風炉の時期を問わずに使用できます。
模様がない場合は蝶番を正面にしますが、貝合わせのように模様がある場合は蝶番が向こうになる場合もあるということを覚えておきましょう。(Hさんが調べてくれました)